OPENING· 10.30 FRI オープニング
伊藤孝仁(建築家|AMP/PAM) 中村潤一(撮影・録音|DAYSCAPE株式会社) risa kagami(システム設計|kgm)
18:00–19:00
あとに残る
再開発予定地の蔵をひらく 空間アーカイブ展
再開発予定地にたたずむ建築たち、3つの庭、蔵に蓄積するもの、日々の営みと記憶。それらの複雑な手触りを、がらんどうになった蔵の中へ“写し取る” 失われゆく土地の時間を未来へと反響させる「アナーカイブ / an-archive」としての展覧会。
*アナーカイブ(an-archive)とは、資料を固定的に保存・分類する従来のアーカイブではなく、断片的な記憶や物、記録を組み替え、再解釈しながら未来へひらいていく実践。保存よりも、再配置や生成のプロセスを重視する。
大宮駅近く、大門町三丁目の一角に、明治期から続く土地がある。製油工場と家族の暮らしの場が共存し、煙突は地域のシンボルだった。車社会の到来とともに煙突は解体され、大宮初のRC立体駐車場が建設され、木造店舗や商業ビルが増築される。明治、大正、昭和、平成、令和。時代と都市の変化を受け止め、チューニングし続けてきたこの場所には、異なる年代の建築や用途が継ぎ接ぎされるように共存している。
100年前のスクラッチタイル、黒く艶やかな床の軋む音、桐箪笥や茶箱の香り。広かった庭の石や灯籠が凝縮した小さな庭、歪な隙間に植木鉢が集まる裏庭、駐車場スロープ脇の家庭菜園。暮らし働いてきた人々の記憶と、大宮の都市の変化の痕跡が、空間のいたるところに潜んでいる。敷地全体が、家族と都市の時間の堆積した「空間的アーカイブ」だ。
その中心にひっそりと佇むのが、明治期に建てられた蔵である。石造の一階と、西洋的な小屋組を取り入れた木造二階。その構法自体が、大宮に近代的な技術や文化が流入した時代を現在に伝えている。今は家族の品々や地域の祭礼道具を収めるバックヤードとなり、街からその存在を知ることはほとんどできない。
本展覧会は、再開発によって失われる可能性のある蔵を街にひらく。街から庭へ入り、縁側や仏間を抜けて蔵へと至る。内部に蓄積された物を調査し、整理し、移動して「がらんどう」をつくる。その「引っ越し」の過程そのものを、場所の歴史を読み解くリサーチとして記録する。
敷地に培われてきた独特な質感を、ドローイング、写真、映像、実測、3Dスキャン、録音、インタビューによって測り、確かめる。その手触りを共有・再演するための断片を制作し配置することで、がらんどうとなった蔵を、土地の時間が反響する空間へと変えていく。
かつてこの場所にあった関係や出来事の潜在性を引き出し、それらが別の人や場所、未来の活動へ作用していく回路をつくること。蔵が失われるまでの宙吊りの時間に、リサーチとデザインを重ねながら、この場所を一時的な共有地として使い続ける。そこで生まれた知見や関係、表現や文化が、建物とは異なるかたちで、大宮の「あとに残る」ことを目指して。
トークイベントや建築ツアーを開催します。 公開中のイベントは、バナーまたは申込リンクからPeatixで詳細をご確認いただけます。以下は予定です。内容・登壇者・日時は変更となる場合があります。
OPENING· 10.30 FRI 伊藤孝仁(建築家|AMP/PAM) 中村潤一(撮影・録音|DAYSCAPE株式会社) risa kagami(システム設計|kgm)
18:00–19:00